平成28年度 4年生実習指導

こんにちは!

 

今日の4年生実習指導は、先週に引き続き、事例の検討です!

 

 

 

事例2 「貸して」5歳児5月

 

 新年度の喧嘩がやっと落ち着きを見せ始めた5月のある日、亜矢ちゃんが教室で絵本を広げ、楽しそうに読んでいました。そこへ舞ちゃんがやってきました。彼女もどうやらその絵本が読みたかったようです。

 

 実は進級時にクラス替えと担任の交代があり、まだ新しいクラスに慣れていない舞ちゃんは、登園後にまずそのお気に入りの絵本をながめ、それから園庭に出ていくというのが4月からの日課となっていたのです。

 

 読みたいと思っていた絵本を亜矢ちゃんが先に読んでいるのを見て、舞ちゃんはちょっとびっくりし、立ち止まってしばらくどうしようかと迷っていました。が、おもいきって「貸して」と声をかけてみました。しかし亜矢ちゃんは絵本に夢中だったのか、気付かないようすです。もう一度舞ちゃんは「貸して」と聞いてみますが、返事がありません。まるで無視しているかのようです。

 

 しばらく亜矢ちゃんのようすを見ていた舞ちゃんですが、ついに「私の!」と言って、突然、亜矢ちゃんから絵本を奪い取り、駆け出していきました。驚いた亜矢ちゃんはすぐに舞ちゃんを追いかけ、「私の!」と背中を引っ張り、ついには奪い合いのけんかとなってしまいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.どの発達段階にあるか、どのような個性なのか、性格

 

 5歳児の発達の特徴として、一番上の学年になり、緊張している。また、葛藤状態になれていない、崩れると落ち着くまでに時間がかかる、気持ちの切り替えができないなどの特徴が考えられる。

 

  舞ちゃん → 絵本が安心材料になっている子・1つのことをやらないと

 

         落ち着かない子。

 

 亜矢ちゃん → 好奇心旺盛

 

 

 

.保育者とその人の個性(攻撃行動に対して苦手意識を持っている、積極的、社交的な子の方が理解しやすいなど)

 

[モデルケース]

 

 事例には「進級時にクラス替えと担任の交代」があったと書いている・・・

 

担任の交代があってまだ信頼関係が築けていない状態で介入するのはどうか・・・。

 

 5歳児同士のイザコザには、なるべくすぐ介入することは控える。舞ちゃんのように内向的な子どもに対しては「○○しなさい」という声がけではなく、「○○だったんだよね」と、子どもの気持ちを読み取るような声がけを!

 

内向的な子どもの気持ちを理解・推測をすることは大事!

 

 

 

[ケンカの対処は冷静に!!!子どもたちが落ち着くように]

 

                   By 利根川先生

 

 

 

 この事例では、2人ともそれぞれのタイミングで悲しみ、怒り、腹立たしさ、悔しさを体験している。

 

子どもにとって「喜び」「楽しみ」と対になる「悲しみ」「怒り」の両方を園生活で体験することは子どもが成長していく上で大切なことである。

 

 保育者は、その時々の相手の気持ちを知るきっかけを教えてあげることが大切であり、共感力(相手の感情を理解する・また理解し合うこと)を働かせて、感情共有ができるような支援や、どんな気持ちだったのかお互いの気持ちを伝え合う理解し合うような援助をすることが重要である!!

 

 

 

事例3 場面緘黙]

 

 明くんは4月から3歳児クラスに入園した男の子です。友だちとの関わりももてるのですが、やや緊張するのか、自分から何かを話すということをあまりしませんでした。話すどころか、明くんの声を聞いたという人は、保育者も含めてだれひとりとしていなかったのです。

 

 家での様子をお母さんに聞くと、家ではうるさいくらいによくしゃべり、兄弟げんかもよくしているので、明くんが園で話さないと聞き、驚いたようです。定期的に園にやってくる臨床心理学が専門の保育カウンセラーに相談したところ、明くんの状態は、言語の能力には問題ないのに話せないという一種のコミュニケーション障がいで場面緘黙とよばれていること、そして対応として、まず安心していられるような居場所をつくること、保育者との信頼関係をつくること、さらに無理に話をさせようとしないこと、といった助言を受けました。

 

 保育者はその助言を心にとどめながら、明くんとかかわるように心がけました。その結果、明くんも表情が少しずつ和らぎ、クラスのみんなにも溶け込んでいきました。しかし、1学期の間、明くんから言葉が発せられることはありませんでした。

 

 夏休みが終わり、2学期に入ると、明くんに変化が表われてきました。笑顔が増え、友だちと追いかけっこをして走り回る姿がみられるようになりました。そしてある日、友達との間にちょっとしたいざこざが起こり、なんと「だめ!」「ばか!」という言葉がでてきたのです。それからというもの、悪態に近い否定的な言葉が増え、保育者は一方ではともかく言葉がでてきたことに安心しながらも、一方では、どう対応していったらよいものか、ちょっと迷うこともふえていきました。

 

 10月になると、ボールやぬいぐるみを友達にむかって投げるという行為が明くんに見られるようになりました。とくに危険というわけでもなかったので、何か意味があるのだろうと保育者は注意せず、見守ることにしました。

 

 そんなある日の午後、保育者がクラスで絵本の読み聞かせをしているとき、明くんがにこにこしながら丸めた紙くずを友達に向かって投げ始めたのです。一斉保育の時だったので、保育者は迷いましたが、「明くん、いまは絵本を読んでいるのだから、だめよ」と注意しました。すると明くんは「トリさんがお空飛ぶの!」と言って、また紙くずを投げたのです。トリさんとは絵本の主人公で、ちょうど保育者が読んでいる次のページで空に舞い上がっているところだったのです。

 

 このことがあってから、明くんは少しずつ言葉で話すことが増え、はじめは保育者に、そして友達へとひろがり、3学期が終わって年中クラスに進級する頃には、コミュニケーションの問題はほとんどなくなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Q.3歳児が否定的な言葉を発するのは発達的にみてどうでしょう。

 

  わざと否定的な言葉を話して、相手の様子を伺っているのではないか

 

  なぜ否定的な言葉をえらんだ?→保育者との信頼関係が築けていたから

 

  その後もしも注意していたらどうなっていた?→せっかく信頼関係が出来ていたのに、崩れてしまうかも

 

 

 

Q.物を投げている行為から・・・

 

なぜ、保育者はすぐに注意しなかったのか・・・

 

→柔らかいものを選んでいる・ニコニコしている

 

  →何かを発信しているのではないか・・・?

 

 

 

 

 

 

 

次にモデルパターンの作成ですが、ここは利根川先生があとで一人一人の作成課題をじっくり読んでくださるそうです・・・(^3^)ムフフ

 

次の事例に移ります!!

 

 

 

 

 

[事例4 モルモットが怖い]

 

Yくんがモルモットを鷲づかみにして、「見て」と持ってきた。しかし、モルモットは、暴れ、爪をたてて、逃げていった。Yくんは「ムカツク!こいつ!」と言っておいかけ、捕まえた。

 

 私(担当保育者)は「Yくん、モルモットをそんなに強くつかんだら、モルモットいたがっているよ。Yくんもつかまれたら痛いでしょ。やさしく抱いてあげよう」と言った。Yくんは「うん、わかった」と言ったが、モルモットを強く握ったままだった。すると、モルモットはまた逃げ、Yくんが追いかけ、つかんだ。Yくんは「逃げるなよ」「ひっかくな」と言っている。

 

 そこで、私は、そのモルモットを手に乗せ「こうやって抱くんだよ。優しく手の上に乗っけるの。こわくないから、Yくん両手を出して」と言った。そして、Yくんの手にモルモットを乗せると、Yくんは「怖くないよね」とやや緊張しながら答え、モルモットをしばらく見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

Q. Yくんのどんな様子から怖がっていると判断したのか

 

   →モルモットをわしづかみ、「逃げるなよ」「ひっかくな」という言動

 

 

 

Q.  幼児にとって直接体験の大切さとは・・・

 

実際にさわることで、柔らかさ、暖かさなどを理解できる、目の前にある命を感じることができる。

 

5感を使った体験は、とくに印象に残る。幼児にとって様々な学びとなる。

 

まだまだ事例はありますが、時間の関係で今日はここまで!!!

 

あとは、利根川先生が一人一人の作成課題をじっくり見てくださるそうです(^o^)☆☆☆

 

 

 

2週にわたって様々な事例検討を行ってきましたが、とても内容の濃い時間を過ごしましたね!

 

子どもの気持ちや、言動の意味の推測、保育者の働きがけや声がけの重要さなど・・・

 

保育は本当に奥が深い・・・・!!!!

 

 

 

以上!!

 

今週は4年生の担当は、山村周子と小笠原愛菜でした!!!